home > メインページ > 大乗寺について > 2004年4月17日 朝日新聞[夕刊](大阪版)

大乗寺について
Outline of Daijyoji

新聞紹介記事
2004年4月17日 朝日新聞[夕刊](大阪版)


応挙の障壁画 デジタル再生 建物・空間と合わせ鑑賞へ

 「応挙寺」として知られる兵庫県香美町の大乗寺が、円山応挙(1733~95)
と弟子たちが描いた国の重要文化財の障壁画を、最新のデジタル技術を駆使して再生
する計画を進めている。来秋、保存のため収蔵庫に移される予定のオリジナルに代
わって室内を彩る。これまでは通路から遠目に眺めるだけだったが、大乗寺は「建物
と一体で鑑賞できるようになる」と話す。
 再生画は、アナログのフィルムで撮影した後、高精度でデジタル処理し、金箔(き
んぱく)をはった和紙に特殊なインキで印刷する。さらに伝統的な技法でふすまなど
に仕上げる。大阪の印刷会社が「芭蕉の間」の障壁画1部を試作。金箔の微妙な濃淡
も再現され、本物と区別がつかない。
 江戸中期に建てられた客殿13室には、応挙とその門弟12人の筆による障壁画1
65面があり、すべて重要文化財に指定されている。仏間の十一面観世音菩薩(ぼさ
つ)を中心に、それぞれの部屋の空間を生かして仏の曼陀羅(まんだら)を立体的に
表現している。
 来年3月までに1億3千万円かけて「孔雀(くじゃく)の間」と「芭蕉の間」「山
水の間」の3室の表裏計46面を復元する。その後も順次復元していく計画で、総事
業費は約3億5千万円。
 山岨眞應(やまそばしんのう)副住職は「精密な再生画で、建物や空間を生かして
応挙が表現したかったものを感じ取っていただきたい。特別展などで本物に触れて理
解を深めてもらえれば」と話している。

※この記事は朝日新聞社の承諾を得て転載しています。無断で転載、送信するなど、朝日新聞社の権利を侵害する一切の行為を禁止します。

TOP